最近発表される最新バイクでよく装備されている「トラコン」。
オートバイレースの最高峰のMOTO−GPでもよく耳にする言葉だし、なんか言い方もかっこいい…!
でも「トラコンってよく聞くけど、何のことなのかよくわからない…」という方もいると思います。
そこで、「トラコンの意味」や「トラコンの目的や使い方」をご説明します。
トラコンとはどういうもの?
トラコンの正式名はトラクションコントロールシステム(TCS)といいます。
滑りやすい路面でアクセルを大きく開けると、タイヤが空転しバイクが前に進まなくなります。
この現象がコーナリング中に発生すると、バイクが横に向いてそのまま転倒したり、場合によってはハイサイドというバイクから放り投げられるように転倒してしまう危険もあります。
トラコンはコンピュータがタイヤの回転数を認識し、空回りした時に瞬時に自動でエンジンの出力を落としたり緩いブレーキをかけたりすることでタイヤのスリップを防いでくれる装置のこと。
そのため、ビックバイクなどのハイパワーなバイクに装備されている場合が多いですね。
では次にトラクションの意味をご紹介します。
トラクションって何?
トラクションとは、バイクのタイヤが地面を蹴って前に進めようとすること。
例えば走行中にアクセルを開けた時、タイヤが滑ってバイクを前に進めることができないことを「トラクションをかけられていない」といいます。
トラクションをかけるためには、ライダーのアクセルワーク、体重のかけ方、車体のセッティングと、さまざまな条件に左右されます。
トラコンの目的とは
トラコンの目的は街乗りとサーキット走行では目的が違ってきます。
主に街乗りでは「ホイールスピンさせない」ことが目的となります。
そのため、アクセルを開けすぎてタイヤがスリップして転倒することを防ぐという安全装置としての役割があります。
ということはトラクションコントロールは効けば効くほど安全であると考えられます。
一方サーキット走行の場合はどうでしょうか?
サーキット走行の場合は「スリップをコントロールする」ということを目的とします。
サーキット走行では速く走るためにタイヤのスライドなどのコントロールも必要な場面があるため、全くスピンしない状態にすると返って上手く走れないことも。
そのため、ライダーによってトラコンの聞き具合にも好みがあり、細かく調整することで「ちょうどいいところ」をピンポイントで見つけることが重要になります。
さらに、ライダーによってはトラコンは必要ないという人もいます。(MOTO−GPで活躍していたケーシー・ストーナー選手はトラコンを全く使用していなかったみたいです)
そのため、サーキット走行でのトラコンは速く走るための目的で使われます。
サーキットでのトラコンの使い方
サーキット走行ではトラコンの設定が走りに大きく影響を与えます。
トラコンの効き具合は走行中でも切り替えることができるため、例えば走行中にタイヤが磨耗してきたら設定を変更したり、雨の場合は聞き具合を強めるなど、さまざまなシーンにより臨機応変に設定を変更しています。
ライダーは走行中に手元のスイッチを操作して切り替えたりしているため、バイクの技術が上がるとたくさんの操作が増え、将来的にF1のステアリングのようにハイテクになるかもしれませんね。
トラコンは将来的に増えていく
現在トラコンは1000ccクラスのビックバイクに装備されている場合がほとんどですが、新型ヤマハYZF-R6など、ミドルクラスのバイクにも採用されつつあります。
さらに技術の進歩は日に日に改善されるため、どんどん精度がいいものが開発され、最新技術がもっと身近なものになるでしょう。
そうなると、最新のバイクにはどんなものがついているかといったことを考えるとワクワクしますよね。
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